”わかりやすい”マニュアル制作講座
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第9回 【マニュアルの作り方】マニュアルの検索性
いよいよ、実際にマニュアルを作成する際に必要となる知識やスキルについて学んでいきましょう。
今回はマニュアルの「検索性」について解説します。
検索性とは
「第6回 【マニュアルの構成】マニュアルを評価する要素」でも説明しましたが、検索性はマニュアルの使い勝手を左右する大切な仕組みです。
検索性の悪いマニュアルは、とても使いにくく、ユーザーにストレスを掛けます。
一般にマニュアルは、読み物などと異なり、最初のページから順番に読んでいくケースは少ないものです。
最初に使うときは先頭から読んだとしても、次に使うときには自分が知りたい情報が載っているページを探してピンポイントで閲覧するタイプの本です。
このため、ユーザーがいかに素早く目的のページにたどり着けるかが、使い勝手を大きく左右します。
この「素早く目的のページにたどり着ける」仕組みを検索と呼びます。その検索の良し悪しを「検索性」という言葉で表します。
ユーザーの検索行動は
製品やサービスを使い始めたユーザーは、使用中に操作に迷ったり、これまでと異なる操作が必要になったときに、マニュアルを引っ張り出してきて知りたい説明を探します。
人によっては、目次を見るかもしれません。パラパラとページをめくって探そうという人がいるかもしれません。類似する操作を説明しているページに飛んで、その周囲を探すかもしれません。
どんな検索行動を取るであろうかは、ペルソナ(ターゲットユーザー像)を頭に思い浮かべて、さまざまな角度から検討する必要があります。
ベテランユーザーと初心者では、取る行動は異なります。
男性と女性では異なるかもしれません。
検索性を高める仕掛け
ユーザーの検索行動が複雑である以上、検索の仕組みもそれに合わせて複数用意する必要があります。
目次
もっとも大きな検索の仕組みは目次です。
目次にどのレベルの見出しまでを載せるかは、内容を見合わせて決定します。
あまり細かいレベルまで載せると、目次から目的の箇所を探しにくくなります。逆に、大見出しレベルまでだと目的の見出しが載らない可能性があります。
用語索引
用語からページが引けるように巻末に用語索引を載せるのも一般的な方法です。
ただし、用語索引は作成やメンテナンスに手間がかかることと、同じ用語が複数のページに登場して、必ずしも目的のページを探す手助けにならない場合もあります。
ヘッダー・フッター
各ページのヘッダーやフッターに、そのページを含む大見出しや中見出し名を載せておくことで、今どこを読んでいるかをユーザーに知らせたり、パラパラめくったときでも大まかなページを探せる効果があります。
参照ページ
文章中で関連する項目名とノンブルを参照ページの形で載せておくと、目的のページを探す一助になります。
PDFの場合は、参照ページにリンクを張ることで、目的のページにジャンプさせることができます。
このような検索の仕組みを組み合わせることで、ユーザーが素早く的確に知りたい情報を探し出せるマニュアルを作りましょう。
株式会社 ワカール