”わかりやすい”マニュアル制作講座

第46回 【編集】より高度なチェック

 

第42回 【編集】マニュアル校正の基本

 

「校正」というと文章や表現のチェックに目が行きがちです。

しかし、マニュアルでは「いかに使いやすいか、わかりやすいか」が大切な要素です。

このためには、製品担当者やマニュアル担当者だけでなく、異なる視点からのチェックが大切になります。

 

そのひとつが「ユーザビリティテスト」です。

これは、実際にユーザーに製品やサービスをマニュアルを見ながら操作してもらい、手順を間違わないか、スムーズに操作できるか、わかりやすいかなどをチェックするためのテストです。

 

できれば、対象となる製品やサービスに関する知識がない、いわゆる素人のユーザー、それもマニュアル企画時に設定したペルソナに該当する人に操作してもらうのが望ましいと言えます。

 

テストは、完了目標となる状態を指示し、マニュアルだけを渡して自由に操作してもらいます。

担当者は、被験者の行動を観察したり、場合によってはビデオで撮影して後の分析に備えます。

基本的に質問に答えることはありません。

 

本格的なテストでは、被験者にアイトラッカーという視線を記録する装置を装着してもらい、マニュアルのどこを見ているか、製品やサービスのどこを見ているかを時系列で記録していきます。

 

  • 被験者は正しい手順で操作を実行しているか
  • 被験者はどこで多くの時間を使っているか
  • 被験者はどこでつまづいているか
  • マニュアルの内容を正確に読み取っているか(注意書きなど理解しているか)
  • 対象の操作に対してマニュアルの正しい箇所を探し出せているか

 

などの状態をチェックします。

初めて製品とマニュアルに触れるユーザーが、正しくマニュアル内容を理解して操作ができるかを確認していきます。

一通りの操作が終わったら、被験者に感想を聞いたり、問題点を聞き出したりして改良に役立てます。

 

 

株式会社 ワカール