”わかりやすい”マニュアル制作講座
◀戻る
第44回 【編集】校正・修正の管理
マニュアルの作成過程では、校正と修正が何度も繰り返されます。
このプロセスを「成り行き」で進めるか「マネージメントする」かで、工数や品質に差が出てきます。
最初に仕上がった原稿をなんどか校正、修正してDTPに回したとしましょう。
できあがった版下をまた関係者が校正します。
この時、すでに校正済みで、新たに校正が必要な箇所を関係者は把握しているでしょうか。
さらに、その後、仕様変更で記述の修正が発生しました。
これを修正すると、また関係者の校正が必要になります。
この時、どこを校正しなければならないか担当者は把握しているでしょうか。
これが徹底されていないと、また最初からすべてを校正することになります。
この結果、新たな修正箇所が発見され、また修正をして...が延々と繰り返されることになります。
もちろん、何度も見直せばさらに品質は上がります。
細かい「てにをは」を直していけば、さらに読みやすくなります。
しかし、マニュアルは小説や詩を作るのとは異なります。
至上の文学作品を作るのが目的ではなく、ユーザーが迷わず適正に製品やサービスを使えるようにインストラクションすることが目的です。
そして、それを適正なコストと時間内に作成することが求められます。
校正や修正の頻度やサイクルは、組織、製品、マニュアルごとに異なり、標準的な校正・修正プロセスはありません。
最低限、校正、修正箇所の記録とチェックリストを作り、それぞれの現場に合わせてプロセスを管理してみてください。
株式会社 ワカール