”わかりやすい”マニュアル制作講座

第31回 【レイアウト】可読性と検索性を高める

 

マニュアルの可読性と検索性を高める

 

取扱説明書では、可読性と検索性が大切になります。

小説や読み物と違って、取扱説明書を好んで読む人はいません(ザンネンながら笑)。

ほとんどのユーザーは、自分が使う製品やサービスを使いこなすために、しかたなく読むのです。

ユーザーは、必要なときに必要なこと(だけを)知るために取扱説明書を開きます。

マニュアルを取り出して、パッと開いたら、そこに知りたい情報が載っていることが理想です。

しかし、そううまくはいきません。

彼らは、何らかの手段で自分が必要とする情報を、トリセツの中から探し出します。

ユーザーのストレスを少しでも軽減するために、私たちマニュアル制作者はいろいろな角度から工夫する必要があります。

ユーザーのストレスを軽減する、という観点から大切なことは「可読性」と「検索性」です。

 

可読性

 

可読性とは、書面の読み進め易さです。

ふつうに本を読んでいても、なんだか読みにくいな、と思うことはありませんか?

さまざまな要素が可読性に影響します。

たとえば、、、

  • フォントの種類やサイズ
  • 使われている色
  • 余白の大きさ(版面のサイズ)
  • 行間、字間
  • 1行の文字数
  • 文章の書き方
  • 使われている単語や内容
  • 内容の構成
  • etc.

わずかなことが、その読み手のイメージに合致しないと、読み手は「読みにくい」「わかりにくい」と感じてしまいます。

常にペルソナを念頭に置いて構成、原稿作成を行ない、レイアウトのセオリーを守ることが大切です。

もっとも大切なことは、ユーザーが読み進めるプロセスを邪魔しないことです。

せっかく読んでいるのに、文章を中断するように参考的な情報が入ったりすると、そこで読み手のペースが崩れてしまうことがあります。

こうした点も考慮して、編集、レイアウトしていく必要があります。

 

検索性

 

パッと見たり、パラパラと目を通しても必要な情報が目に入るのが理想です。

そのためには、見出しや注意、参考などの補助情報、強調などをうまく使う必要があります。

たとえば、見出しと本文のフォントやサイズがあまり違わないレイアウトでは、ユーザーはコンテンツ構造を把握しにくくなります。

見出しが太いフォントで目立ち、本文はインデントされて少し小さなフォントであれば、ユーザーはダイレクトにコンテンツの構造を把握できます。

また、注意や参考が、枠で囲ってあったり、目立つピクトを付けられていれば、本文との差異がひと目で理解でき、読み進めるときのガイドになります。

マニュアルのレイアウト上で大切なことは、パラパラと読み進んでも、ユーザーが「自分が今どこにいるのか」「ここにはどんな内容が書かれているのか」がわかるようにしておくことです。

これは、デザイン・レイアウトだけの問題ではなく、ライターや編集者とも一緒に取り組む問題になります

 

株式会社 ワカール