”わかりやすい”マニュアル制作講座

第2回 【基礎知識編】マニュアルの種類

 

 

貴社ではどんなマニュアルを作成されていますか?

マニュアルには、目的、用途などに応じてさまざまな種類があります。

一般的なマニュアルの種類を知っておくことで、よりわかりやすい形式でユーザーにマニュアルを届けることができるようになるかもしれません。

 

■目的別に見たマニュアルの種類

ユーザーへの提供目的からマニュアルを分類することができます。

 

●操作(手順)説明

名称例:「ユーザーズマニュアル」「取扱説明書」「操作マニュアル」等々

製品やサービスの取り扱い・操作・手順などを中心に説明するもっとも一般的なマニュアル形態です。

内容や構成はさまざまで決まった形式はありません。

本連載で解説する「マニュアルの作り方」も基本的にこの種類のマニュアルを想定しています。

 

●入門・クイック

名称例:「初心者マニュアル」「クイックマニュアル」「簡単マニュアル」等々

取扱説明書・操作マニュアルの補助として、初心者向け、簡易編として提供されるケースが多いマニュアル形態です。

導入部分だけを懇切丁寧に説明したり、使い始めるまでだけを抜粋して説明したりします。

コンシューマー製品のマニュアルや、機能が豊富で複雑な操作が必要な機器などでよく利用されます。

 

●解説タイプ

名称例:「コマンドマニュアル」「プログラミングマニュアル」等々

専門家向け製品のマニュアルなどでよく見られる種類で、百科事典的な説明になっているケースがよくあります。

製品の使用中に、必要な情報をピンポイントで探して参照するような使い方を想定しています。

 

●プロ向け

名称例:「サービスマニュアル」「メンテナンスマニュアル」等々

整備や修理などを担当するプロ向けのマニュアルとしてよく使用されます。

プロの知識や経験に合わせて、無駄な情報を排除し、現場でもすぐに参照できるような構成にするケースが大半です。

ひとつの製品に対して、ユーザー向けのマニュアルと対として作成されるのが通例です。

 

●社内向け

名称例:「業務マニュアル」「オペレーションマニュアル」等々

いわゆる業務マニュアルです。社内の業務手順等を社員に向けて説明するマニュアルです。

通常は、社内の現場で社員が作成するケースが大半です。

規模やシステムによっては、専門の部署や外部の会社が作成するケースもあります。

 

■構成形態から見たマニュアルの種類

内容や構成の組み立てにより一般的に次の2種類のマニュアル形態があります。

 

●チュートリアルタイプ

手順説明など順番に読むことを想定したマニュアル形態です。

取扱説明書等はこの形態で構成されているのが一般的です。

 

●リファレンスタイプ

辞書などのように目的の箇所を検索して参照するタイプのマニュアルです。

プログラミング言語のコマンドマニュアルなどはこの構成になっています。

一つひとつの項目が独立しており、完結しています。

 

通常、1冊のマニュアルの中で、この2種類の形態が混合しているケースが多いと思われます。

前半はチュートリアル的に手順や操作を説明し、後半は機能やメニューごとに解説しているなどのケースです。

この2つの特性をよく知って、マニュアルを構成する必要があります。

 

 

株式会社 ワカール