”わかりやすい”マニュアル制作講座
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第12回 【レイアウト】見やすさ読みやすいレイアウト
「第11回 【マニュアルの作り方】ページレイアウトの一般知識」では、組版の基本的な知識について説明しました。
見やすい、読みやすい組版のためには、基本的なルールがあります。
レイアウトの基本的なポイント
見やすさ、読みやすさに影響する組版上の基本的なポイントについて説明します。
日本語組版は長い歴史があり、さまざまなセオリーがあります。
基本を理解してから、さまざまな応用についても勉強してみてください。
版面率
版面(はんずら)は、ページの中で本文が入るスペースを指します。
版面以外の部分は「余白」になります。
版面率は、版面と余白の割合になります。
版面率(%)=(版面面積÷ページ全体の面積)×100
版面率を上げれば、ページにたくさんの情報を詰め込むことができます。
しかし、読み手はページに多くの情報が詰まっていると、息苦しさを感じて、読んだり見たりするのにストレスを感じるようになります。
適切な版面率で十分な余白を取ることが大切です。
文字中心のマニュアルでは、版面率は60~70%ぐらいが一般的です。
図やイラストが豊富なマニュアルやペラ物(1枚もの)では、70~80%ぐらいでしょうか。
サンプルを作って見やすい読みやすい版面率を実際に確かめます。
フォントサイズ・種類
どういうフォントをどういうサイズでレイアウトするかは、誌面の印象を大きく左右します。
フォントの基本は「ゴシック体」と「明朝体」です。
太さが一定なゴシック体はしっかりした印象です。
太さに強弱がある明朝体は柔らかい印象があります。
見出しはゴシック体で大きめ、本文は明朝体で10ポイントなど、見やすいフォントを選択します。
字間・行間
文字と文字の間を「字間」または「字送り」と呼びます。
行と行の間は「行間」または「行送り」と呼びます。
いずれも、可読性に大きな影響を与えます。
とくに字間、行間が詰まっていると、読みにくい印象を与えてしまいます。
マニュアルでは、読み手が誌面が読みにくくストレスを感じると、理解度が低下したり、内容への信頼度が低下すると考えられます。
サンプルを作成して読みやすい字間、行間を決めていきましょう。
1行の文字数
1行の文字数も読みやすさに大きな影響を与えます。
小さな文字で1行に60字も70字も詰まっていると、読み手は1行を読むために頭を振る必要が出てきます。
一般に、目の動きだけで1行を追えることが大切だと言われています。
30~40字程度をめどに設定します。
もし、1行の文字数が多くなる場合は、2段組などのレイアウトを検討します。
その他にも、レイアウトのために検討すべきポイントはたくさんあります。
マニュアルを作り始める前に、数ページのサンプルレイアウトを作って、実寸で検討することが大切です。
株式会社 ワカール